もくじ
ハワイ原種ハイビスカスの育て方
この記事の内容は、中部地方でも温暖な地域での経験則であり、育成条件としては良い場所での体験談です。実際に育てる地域、場所によっては内容がそぐわない場合もありますのでご注意ください。
初期の頃はかなり慎重に育てていました。でも意外と丈夫なのが分かり、次第にテキトーに。それでも購入した全ての原種ハイビスカスは、かれこれ十数年生き続けています!(株単位では枯れたものは幾つかあります。)
半分我流ではありますが、普段のお世話の仕方から、経験上で気が付いたことなどを含め挙げておきます。なお、自分は素人ですので専門的なご質問には答えられません。また、間違いがあったらスミマセン。
一般的なハイビスカスの育て方については下記サイトをご参考に。
参考サイト
以下は、ハワイ原種の育て方の記載のあるサイトです。これは貴重!
参考サイト
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水やり
共通事項
- 水はたっぷり
鉢底から水が捌けるのを確認できるまでタップリあげます。たくさんの水を流してあげることで、土の中の空気を入れ替える効果があり、これが結構大事なのだとか。
- 葉にもたっぷり
葉の裏にも水をじゃぶじゃぶ掛けてあげましょう。ハダニやコナジラミを予防するためです。
- 受け皿に溜まった水は捨てるべし
そのままにしておくと、根腐れがおきて枯れてしまいます。
夏
- 1日1回、夕方に行う
夕方に行う理由は、日光で水が温められ、蒸れて根が傷んでしまうから。また、葉に水が付いたまま直射日光を浴びると、葉焼け(人間でいう日焼け)を起こし、その葉は枯れ落ちてしまいます。1枚では済まないので、結構悲惨な姿に…。
水やりを忘れて葉が萎れてしまった場合は、鉢を日陰に移して水をあげましょう。
冬
- 土の表面が完全に乾いたら行う。時間帯は朝。夕方はNG
成長が止まっている寒い時期は、水やりを極力控えることが大事。土の乾燥頻度は鉢の大きさや素材によっても変わるので、一概に何日毎とは言えません。私の場合は鉢によりバラつきはありますが、4日~5日に一度のペースで行っています。
また、冬であっても葉水(葉に水を与えること)は行うべし。温暖な地域では冬でも室内は温かく、ハダニが発生するのでその予防です。
置き場所
共通事項
- 日光を好むので基本的には南向きの場所。次点で東向き
西向きは冬場は良いですが、夏は西日が厳しい。北向きしか選べない場合は、育てるのは難しいかも。(育っても花が咲かないかも。)
- 最低気温 10℃~15℃ が置き場所移動の目安となる
ハイビスカスは、気温が15℃を切ると花が咲かなくなり、10℃を切ると葉が落ちます。これを念頭に、気温で置き場所を判断して下さい。
春
- 室内から屋外へ移動する
最低気温が15℃付近まで上がってきたら室内から屋外へ移動します。私の地域では4月後半~5月前半くらい。
ぬくぬくした室内から過酷な室外へ移すタイミングは結構難しい。時期が早すぎると、急に冷え込んだ時に心配。逆に遅すぎると急激に強烈な日差しを浴びることになり、葉焼けを起こします。経験上、遅いよりは早い方がマシかも。
夏
- 日光は好きだけど、直射日光はほどほどに
置き場所としては、南向きの屋根のあるベランダや軒下が良いでしょう。暑さが若干穏やかな午前中は日に当たり、太陽の高度が高くなる日中は、庇やベランダの天井で直射日光を避けられます。
なお、地面がコンクリの場合は、日差しの照り返しで熱くなります。棚に置くなり何かしらワンクッションあった方が良いでしょう。
- 梅雨明け時は葉焼けに注意
曇天や雨天がずっと続いた後、急激に晴れて強い直射日光を浴びると葉焼けを起こします。梅雨明けの時期はまさにこの状態。特に気を付けて下さい。
- 常夏の花のくせに真夏の暑さはニガテ!
やるべきお世話をしても夏に花を咲かせない場合、おそらくこれが原因。我が家のハイビスカスたちも絶対に咲きません。咲くのは9月後半以降です。
【実験】酷暑を避けるために、室内に置いてみた!
ある年、ちょっとした実験をしてみました。冬から引き続き夏も室内に入れておくことに。置き場所は南向きの窓際。常に明るい場所です。また、冬場は直接日射しが入り込みますが、夏は太陽の高度が高いために部屋の中までは直射日光は届きません。
実験したのは手持ちの中で一番大きなケオケオ(アーノッティアヌス)です。この環境はなかなか快適だったようで、どんどん成長して普段より巨大になりました。今までになくワッサワサ。生育期にしたことがなかった剪定を2度もすることになりました。
もしかして最高の置き場所なのか!?
我が家のケオケオたちは9月~12月に花を付けます。しかし、秋になり真冬になっても、実験中のこのケオケオだけは花を付けませんでした。
後で調べたら、ハイビスカスは日光が足りないと花を付けないことが判明。明るいだけじゃダメなんですねぇ。直射日光も必要な模様。
ということで、「夏の室内置きは微妙」という結果となりました。うーむ。
秋
- 屋外から室内へ移動する
最低気温が15℃を下回るようになってきたら室内へ移動させます。私の地域では11月くらい。
冬
- 室内の日がよく当たる窓際に置く
基本は窓際。ただし、夜間は窓から冷気が入り込んで寒くなるので、なるべく窓から離してあげて下さい。
我が家は寒くても室温は15℃前後あるので、窓際に置くだけの楽な管理で済んでいます。もっと寒い地域の場合は、ヒーター付の温室などが必要になるかも。
肥料
植物にとって
- 水は「ご飯」
- 緩効性の固形肥料は「おかず」
- 即効性の液体肥料は「栄養ドリンク」
- 活力剤(アンプル)は「サプリメント」
に相当すると言われています。この例えはとても分かりやすくて秀逸。これを頭に入れて、適度に肥料を与えて下さいね。人間が食べ過ぎると不健康になるのと一緒で、与え過ぎは禁物です。
緩効性の固形肥料が大事
生育時期の5月~10月は緩効性(ゆっくりとじわじわ効く)の固形肥料をあげましょう。その際、肥料が根に触れると根を痛めてしまうので、直接触れないように気を付けて。
肥料の主な要素には、窒素、リン酸、カリウムがあり、それぞれ効能が異なります。また、これらは肥料の三要素と呼ばれています。
肥料の三要素
- 窒素
葉の成長を促進させる。ただし与えすぎると花が咲きづらくなる。
- リン酸
花つきを良くする。果実も育てる。
- カリウム
根を丈夫にする。
化成肥料には、三要素の含有量がパッケージに掲載されているので、これを参考にして選びましょう。その表示は、数字だけで記載されている場合もあります。どの肥料も数字は左から
窒素(N)- リン酸(P)- カリウム(K)
の順番で表示されており、各要素が100g中に含まれる量を示しています。(←万国共通の表示です。)
例)表記が「10-15-10」の場合
100gの中に、窒素 10g、リン酸 15g、カリウム 10g が含まれている。
ハイビスカスを育てるうえで気になるのは花付きですから、購入する際は「リン酸(真ん中の数字)が高めのもの」と覚えておけば分かりやすいでしょう。
私はハイポネックス マグァンプKを与えています。花付きを良くするリン酸が多め。
マグァンプK は植え替えの時に土に混ぜるだけなのでお手軽。根に直接触れてもダメージを受けないように作られている点も安心。
液体肥料も与えてみる
緩効性の固形肥料に比べ、即効性のある液体肥料。固形肥料と同じく三要素で構成されています。少し肥料が足りないかな?と感じた時などに与えて下さい。水やりをする要領で、土が乾燥している時に与えるのが効果的。
原液を希釈して利用するタイプは、分量を誤る(濃い)と植物にダメージを与えてしまうので気を付けて。
肥料を与えてはいけない時期がある
植え替え直後など環境が変わった時、冬の成長の止まっている時期、明らかに元気がなく様子がおかしい時に肥料を与えるのは逆効果。復活させるどころか致命傷を与えてしまうことも。
人間に置き換えてみましょう。普段ならスタミナのつくであろう焼肉も、体調の悪い時には食べられないのと一緒です。
元気がない時は、活力剤(アンプル)を使ってみる
先の尖ったドリンク剤のような形の容器に入っている活力剤。よく観葉植物の鉢などに挿してあるのを見かけますよね。
植物にとって必要なものは、肥料の三要素だけではありません。その他の要素を補うのが活力剤の役目。植物が少し弱っている時などに利用すると効果的です。
活力剤についての詳細は下記のサイトが大変に参考になるのでご一読下さい。
参考サイト
copiapoa スタッフブログ > あなたは、間違っていませんか?観葉植物のための活力剤の使い方
剪定
剪定作業は秋に行う
秋に屋外から室内へと移動する際、枝のおおよそ1/2から3/2くらいの部分をバッサリと切りましょう。蕾があっても容赦なく。可哀相な気もしますが、植物にとっても大事なこと。
剪定することで、翌年もがんばって花を咲かせてくれるようになります。また、枝を切らないと形が大変不恰好になってしまうんですよね。(←経験済み)初めて剪定する時は勇気が要りますが、一度経験してしまえば、次からはどうということもない作業になるはず。
剪定から約2ヶ月後:左の大きな鉢がアーノッティアヌス、真ん中と右奥がイマクラトゥス、右手前がクレイー
剪定から2か月もすれば緑が溢れてくるので心配ご無用です。
切る位置は、幹の途中にある節(葉の付け根)や脇芽のすぐ上です。下記サイトが図解入りで分かりやすのでご参考に。
参考サイト
生育時期に枝が伸びすぎた場合も剪定する
伸びすぎた枝がしなだれたり、鉢のサイズに対して大きくなりすぎたような時は剪定してあげましょう。
ただ、ハイビスカスは伸びた枝の先に花を付けます。剪定後は、再度枝が伸びるまで花が付かなくなるので、その点は考慮して下さい。
植え替え
用土は赤玉土と腐葉土
土はバーミキュライトを混ぜるよう記載されている場合もありますが、赤玉土(中粒)と腐葉土だけでもOKです。分量は 赤玉土 7:腐葉土 3 になるように。
固形肥料にハイポネックス マグァンプK を使う場合は、この用土に一緒に混ぜます。
ハイビスカスの植え替え時期は5月~6月が一般的
YouTubeに分かりやすい動画があったので貼っておきます。文章で説明するよりこちらの方が分かりやすいので、植え替え方法は割愛。
鉢のサイズはそのままで平気
一般的な解説には「植え替えの時は一回り大きな鉢へ。」とありますが、従順に従っていると木が大きくなりすぎて、管理が大変。というか無理。ケオケオの場合は3m程の大きさになりますし。
苗から育てている場合は徐々にサイズを大きくしますが、ある程度のサイズになったら、同じ鉢に植えなおせばOKです。
その他
咲き終わった花は摘む?摘まない?
ハイビスカスの花は1日で萎んでしまうのが一般的ですが、私のハイビスカスたちは2日間は綺麗に咲き続けてくれます。(原種はみんなそうなのか?)
基本、咲き終わった花は摘んだ方が良いのですが、種を作りたい場合は、花は摘まない方が良いかも??経験則上、種が無事にできる個体は、咲き終わった後、花が落ちずにくっついたままなので。
鉢に落ちた葉は拾う
鉢に落ちた葉は栄養素になるかと思いきや、病気の原因になってしまいます。都度拾って捨てましょう。
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育てるのに必要なもの
結局必要な物はナニ?
原種ハイビスカスをネットで購入すると、苗(ポット)で届くことが多いはず。購入後、すぐに鉢に植え替えることになります。初めてハイビスカスを育て始める方のために必需品をまとめてみました。
ハイビスカス購入時に必要なもの
- 適度な大きさの鉢
大きすぎても小さすぎてもダメ。親切な園芸ショップなら、何号の鉢が必要か記載があります。
記載がなければ、購入した苗が何号ポットか確認して、それよりも1号か2号大きめな鉢を用意しましょう。私の場合は、2号上げています。※ 1号 = 3cm(鉢の上部の直径)
例:3号(9cm)ポットの苗なら、4~5号(12~15cm)の鉢を用意する。
必ず鉢底に穴が開いているものを購入して下さい。穴がないものは「鉢」ではなく「鉢カバー」です。
また、お洒落な鉢の中には壺のように上部がすぼまった形状のものがありますが、植え替えがとてもつもなく大変になるので避けるべし。最悪、鉢を割るハメに。土を崩さなくても、スポッと上に引っこ抜くことができる形状のものを選びましょう。
- 受け皿
鉢を室内置きにする季節は必須。
プラスチック製のものが一番使い勝手は良いですが、オシャレ感がない。逆に、素焼きのものは洒落ていますが、皿の下がカビる可能性があるので微妙。意外に、食事用の陶器や磁器の皿(受け皿の形状に近いもの)が使えることも。
- 赤玉土(小粒)
小粒・中粒・大粒の3種類ありますが、小粒が使い勝手が良いです。
- 腐葉土
土の中の微生物を増やしたり、水はけを良くしたりする効果がある。
- 固形肥料
ハイポネックス マグァンプKがおすすめ。手軽で初心者向け。
- 鉢底の石
通気性・排水性を良くするために鉢底に敷く石。鉢の高さに対して1割程度敷きます。
- 鉢底ネット
土や鉢底の石が鉢穴からこぼれないようにするためのネット。虫の侵入を防ぐ効果もある。
- シャベルまたは土入れ
植え替え時に必要。シャベルでも良いですが、穴を掘ったりすることがなく、鉢から鉢への植え替え程度ならば土入れの方が使いやすい。3種類のサイズのものがセットで販売されていることが多いです。
- ホースやジョーロ
葉にも水を与えたいので、水がシャワー状になるものが好ましい。
- 割り箸や使い古しの菜箸
植え替え時に必要。鉢に土を入れる際に、鉢の縁に沿って細い棒で土を突いてあげると、隙間なく土を入れることができます。
- 園芸シート
ベランダ等で植え替え作業をする時に使うと便利。私が利用しているのはコンパル園芸シート(ワイド)です。
しばらくして必要になるもの
- 液体肥料と活力剤
- 農薬
おすすめの薬については次のページにて解説しています。
関連記事虫・即・斬!ハイビスカスを育てるうえで必ず必要になる害虫対策について解説します。打倒!アブラムシ&ハダニ!
- 剪定ばさみ
枝や根をカットする時に必要。100円ショップなどでも販売されていますが、できればしっかりした作りのものを選ぶべき。
ハイビスカスを増やす方法 3種
ハワイ原種ハイビスカスは、下記の方法で増やすことができます。
- 挿し木(さしき)
切った枝を土や水に挿して発根させて繁殖させる方法。親となる株のクローンを作ります。一番一般的で楽な方法。
ただし、園芸種のハワイアン系は挿し木できないものが多いので要注意。
- 接ぎ木(つぎき)
2体以上の木を合体させる方法。土台となる木に、別の木の枝を結合させます。例えば、オレンジとレモンの実を同時に実らせるような特殊な木は、接ぎ木しているからこそ成せる業。
私の父は、沖縄で購入したハイビスカスに、ワイメアエ(ハワイ原種)を接ぎ木して花を咲かせていました。
- 実生(みしょう)
種から育てる方法。木の苗を種から育てるイメージはあまりありませんが、原種ハイビスカスでは、実生も一般的な方法とのこと。(エクゾティックプランツさんに教えてもらいました。)
上の3種類のうち2種類に挑戦してみました。詳細は下記ページをご覧ください。